北区赤羽の關口行政書士事務所 幸せ相続センター東京第一
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所長プロフィール

   
 
行政書士・離婚再婚アナリスト
關口勝生(せきぐちかつお)
1972年東京都北区生まれ。中央大学経済学部卒業後、株式会社日本リースに入社。サラリーマン生活になじめずわずか1年半で退職し、1年間タイで無職生活を送る。帰国後、大手ユニフォームメーカーに就職。会社勤めの傍ら、独学で行政書士の資格を取得。2007年10月に経験も人脈もゼロの状態で独立。名刺やブログといったツールを利用することで、驚異的なスピードで莫大な人脈を構築し、事務所経営を軌道に乗せる。独立以来、会社設立を中心に各種事業のサポートを行ってきたが、2010年より年間相談件数100件以上の実績を誇る幸せ相続センターの全面バックアップのもと、幸せ相続センター東京第一を開設。2012年北区赤羽に事務所を移転。趣味は、愛妻と旅行に行くこと。

【著書】
☆好評発売中☆
關口勝生(著)

『人脈塾 サラリーマンも
「自分名刺」を持ちなさい

阪急コミュニケーションズ
  人脈塾  

【メディア出演実績】
・ラジオJ-WAVE
『BOOM TOWN』
・テレビ朝日
「スーパーJチャンネル」
・産經新聞
・毎日新聞 他多数


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コラム

【遺言の事例〜付言事項で遺留分の壁を破る】

テーマ:遺言

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うちの事務所に遺言のご相談・ご依頼をいただく場合、ほぼ100%、遺留分を侵害する内容の遺言です。

日本の相続制度では、法定相続よりも遺言のほうが優先されますが、相続人を保護するために、一定の相続人に一定の相続割合を必ず残しておくという制度です。

しかし、遺言を作る人の多くは、様々な事情や思いから、この遺留分を無視したかたちで財産を分けたいと思っています。

そこで遺言書に、その思いを記して、相続人全員に納得してもらうことが必要になってきます。



その事例をみてみましょう。


遺言を作られる方(「遺言者」といいます)は、N本K史さん(72歳)、奥様のH子さん(65歳)と二人暮らし。お住まいは東京都北区。

お子様は二人いて、それぞれ独立して家庭を持っている。

長男のA彦さん(43歳)は大手自動車ディーラーに勤める会社員で埼玉県川口市にて奥様と子供一人と暮らしており、次男のE司さん(39歳)は中堅ゼネコンに勤める会社員で東京都練馬区にて奥様と子供二人と暮らしている。

遺言者のN本K史さんはもともと自営で塗装工をしていたが、4年前に廃業している。

財産は、自宅の土地と建物で固定資産税評価額で約2000万円、またK史さんが親御さんから10年ほど前に相続した土地(親御さんがどういう経緯で持っていたのかわからないが神奈川県の田舎の方にある土地)が固定資産税評価額で約300万円、それから預貯金が約500万円(別途に奥様のH子さん名義の預金が100万円あります)といったところで、借金は無し。

この他に生命保険の終身保険が、奥様のH子さんを受取人にして保険金100万円(60歳までは定期特約があって3000万円だったようですが)あるとのことです。

遺言者のK史さんは、財産はすべて奥様のH子さんに遺すつもりで、お子さん二人にも事あるごとにそう言ってきたものの、子供二人がそれぞれ独立して家庭を持ち、いろんな事情から財産をあてにしているかもしれないので、ここはちゃんと遺言で意思表示しておきたい、ということだそうです。

これらの点の他、K史さんから伺ったお話をもとに遺言公正証書を作った内容は以下のとおりです。



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平成26年第○○○号


           遺言公正証書


 本職は、遺言者N本K史の嘱託により、後記証人の立会をもって次の遺言の趣旨の口述を筆記し、これを証書に作成する。


第1条 遺言者は、遺言者の所有する下記の不動産その他一切の財産を遺言者の妻N本H子(昭和24年2月○日生)に相続させる。
          記
 @土地
  所   在  東京都北区○○町○丁目
  地   番  ○○○○番○
  地   目  宅地
  地   積  70.28平方メートル

 A土地
  所   在  神奈川県秦野市○○町
  地   番  ○○○番○
  地   目  雑種地
  地   積  80平方メートル

 B建物
  所   在  東京都北区○○町○丁目○○○○番○
  家屋番号  ○○○○番○
  種   類  居宅
  構   造  木造スレート葺2階建
  床 面 積   1階 44.16平方メートル
          2階 43.92平方メートル


第2条 万一、遺言者より前に又は遺言者と同時に妻N本H子が死亡していたときは、遺言者は前条記載の財産のうち@及びB並びにBの建物内に存する一切の動産を遺言者の長男N本A彦(昭和45年12月○日)に相続させ、長男N本A彦に相続させるとした財産を除く遺言者の所有する一切の財産(前条記載のA、預貯金、現金その他一切の財産)を次男N本E司(昭和49年10月○日生)に相続させる。この場合、遺言者の一切の債務(遺言者の未払租税公課、入院・治療費、家事債務等)、葬儀費用、遺言の執行に関する費用は長男N本A彦の負担とする。ただし、前条記載Aの土地の登記に関する費用は、次男N本E司の負担とする。


第3条 遺言者は、遺言者及び祖先の祭祀を主宰すべきものとして、妻N本H子を指定する。
2.妻N本H子には、墓地を含む代々の墓及び仏壇など祭祀に必要な財産の一切を相続させる。
3.万一、遺言者より前に又は遺言者と同時に妻N本H子が死亡していたときは、長男N本A彦を遺言者及び祖先の祭祀を主宰すべき者とする。


第4条 遺言者は、本遺言の執行者として、妻N本H子を指定する。
2.万一、この遺言の執行完了以前に妻N本H子が死亡、又は執行が不能な状態になったとき、もしくは遺言執行者への就任を辞退したときには、新たな遺言執行者として次の者を指定する。
 東京都北区赤羽2丁目2番2−911号
 行政書士 關口勝生
 昭和47年○月○日生
この場合、遺言執行者に対する報酬は、相続財産評価額の2パーセントとする。ただし、相続財産評価額の2パーセント相当額が金25万円に満たない場合は、遺言執行者に対する報酬は金25万円也とする。


第5条 遺言者は、遺言執行者に対し、次の権限を授与する。
@不動産、預貯金、株式その他の相続財産の名義変更、解約及び払戻し
A貸金庫の開扉、解約及び内容物の取り出し
B本遺言の執行に必要な場合に代理人及び補助者を選任すること
Cその他本遺言を執行するために必要な一切の処分を行うこと



(付言事項)

1.遺言者(以下「私」と言います)は、妻H子、長男A彦、次男E司とその家族が仲良く幸せな人生を過ごしてくれることを切に願い、この遺言書を作成しました。

2.妻H子には長い間苦労を掛けましたが、いつも明るく私や家族を支えてくれたことに大変感謝しています。H子は立派な家に育ち短大まで卒業しながら、学歴もない一介の職人である私に嫁ぎ、苦労が多かったと思いますが、二人の子を立派に育て上げてくれました。今ある財産は、ひとえにH子の内助の功により築くことができたと思います。したがって、私の財産はすべてH子に相続させることにしました。
 長男A彦には、学歴の無い私の子とは思えぬほどの成績で大学まで卒業し、立派な社会人になってくれたことを誇りに思っています。現在、幸せな家庭を築いている様子で何よりですが、私の亡き後は自分の家庭だけでなく、お母さんや弟のことも気にかけてN本家全体が幸せになれるよう努力してくれることを望みます。
 次男E司も、優秀な成績で大学を卒業し、立派な社会人となってくれました。また、幸せな家庭を築いている様子を嬉しく思っています。私の亡き後はもう少しお母さんのことを気にかけ、なるべく顔を見せてあげてください。
 私の財産をすべてH子に相続させることにしたのは、A彦もE司もそれぞれ家庭を持ち、私亡き後も、H子と同居することは難しいと思われることから、H子が一人ででも平穏な暮らしが送ることができるよう考慮したものであることをご理解ください。
 また万一、私より先にH子が亡くなった場合は、自宅をA彦に相続させることとしていますが、これはA彦には長男としてN本家をまとめていってもらいたいという思いからです。その他の財産はE司に相続させることにしたものの、兄弟で不均衡になってしまったことは否めません。ですが、どうぞご理解をいただき、兄弟仲良く助け合っていって下さい。

3.以上のような思いから熟慮に熟慮を重ね、この遺言書を作りました。遺留分を侵害する内容になっているかと思いますが、どうか減殺請求などせずに遺言書のとおり相続していただきたいと願っています。

4.みんな、今までありがとう。これからも仲良く幸せに過ごしてください。

  以上



本旨外要件

東京都北区○○町○丁目○○番○号
無 職
遺言者  N本K史
 昭和20年1月○日生
遺言者は、印鑑登録証明書の提出により人違いでないことを証明させた。


東京都練馬区○○町○丁目○番○−○○○号
会社員
証  人  N田K祐
 昭和49年9月○日生


東京都北区赤羽2丁目2番2−911号
行政書士
証   人  關口勝生
 昭和47年2月○日生


上記各事項を列席者に読み聞かせたところ、各自、筆記の正確なことを承認し、次に署名押印する。


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遺言者のN本K史さんは、もともと財産はすべて奥様に残すとお子さん二人に言っていますし、奥様のH子さんが財産をすべて相続しても、H子さんが亡くなったときには、その財産はお子さん二人が相続するわけですから、仮に遺言書が無かったとしてもH子さんがすべて相続することになったかもしれません。

ただ、お子さんのA彦さんにもE司さんにも家庭があり子供がいるとなると、学費などで物入りになり、K史さんの財産をあてにしているということも考えられるわけです。その時すんなりH子さんがすべての財産を相続できるかどうかという不安もあります。

その不安を解消するためにこのような遺言書を作り、さらに付言事項でストレートに思いを伝えることで、「お父さんの言う通りにしようかな」という気にさせて、遺留分があっても請求しないような気持に持っていくわけです。

また、もし妻のH子さんのほうが先に亡くなってしまった場合は、兄弟間で不均衡が生じてしまいました。

自宅以外の財産がもっとあれば、もっと上手い配分ができたかもしれませんが、現在の財産状況とK史さんの意向を考慮して、この形にしてあります。

遺言執行者については、全財産を妻のH子さんに渡す内容になっていますのでそれほど難しい処理があるわけでなく、H子さんがかなりしっかりした方なので、わからないことがあった時はうちの事務所に相談をしてもらうということで、H子さんに執行者になってもらうことにし、H子さんが就任できない場合に私が就任するようにしてあります。

参考にしてください☆



※この記事は、実際にあった事例をもとにしたフィクションです。したがって公正証書の文例も実際の公正証書の文面を、ブログ用に修正したものです。





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